Skip to main content
アッダーニヤ・ジャータカ(世尊、国王たりし時)
547のジャータカ
415

アッダーニヤ・ジャータカ(世尊、国王たりし時)

Buddha24Sattakanipāta
音声で聴く
遠い昔、世尊(釈迦牟尼仏)が輪廻の迷いをさまよい、完全な悟り(無上正等覚)を得るために徳を積まれていた頃のことである。世尊は、栄華を極めたある都市の王としてお生まれになった。その王の名は、アッダーニヤ王であった。 アッダーニヤ王は、十種の王道(十善戒)を完全に実践する王であり、その十種の王道をもって民を堅固に統治しておられた。王は公正であり、慈悲深く、寛大で、誠実であった。また、自己を制御し(調伏)、世俗の欲望から離れ(出離)、忍耐強く(忍辱)、そして喜びをもって(喜捨)統治されていた。 ある日、王は宮殿の窓辺に立ち、街を眺めていた。すると、一人の老人が、疲れた様子で、肩に重い荷物を担いで歩いているのを目にした。王はその老人の姿を見て、深い憐れみを覚えた。王はすぐに召使いに命じ、その老人を宮殿に連れてくるように言った。 老人が宮殿に連れてこられると、王は優しく語りかけた。「老人よ、なぜそのような重い荷物を担いで、疲れているのだね? 私の臣下でありながら、なぜ助けを求めなかったのか?」 老人は答えた。「おお、王よ。私は貧しく、日々の糧を得るために、この薪を街で売らねばなりません。しかし、私は王に助けを求めることを恥ずかしく思いました。自らの力で生計を立てることが、私の誇りなのです。」 王は老人の言葉を聞き、その誠実さと自立心に感銘を受けた。王は老人に言った。「あなたのその心意気は立派だ。しかし、王の義務は、民が苦しむのを見過ごすことではない。今日から、あなたはもう薪を売る必要はない。私の食料庫から、必要なだけ持ち帰りなさい。そして、これからはこの薪の重さに悩むことなく、静かに暮らすがよい。」 王はさらに、老人に住む場所と十分な食料を与え、老人はその後、何の心配もなく穏やかな晩年を送ることができた。 この一件の後、アッダーニヤ王の慈悲と公正さは、国中にさらに広まった。人々は王を深く敬愛し、国はますます平和で豊かになった。王は生涯にわたり、十種の王道を貫き、多くの善行を積まれた。 このジャータカ物語は、菩薩が過去世において、民を慈しみ、公正に統治する王であったことを示している。真の統治者とは、権力をもって民を抑圧する者ではなく、民の苦しみを自らのことのように思い、慈悲と公正をもって導く者なのである。

— In-Article Ad —

💡教訓

大きな慈悲と犠牲、知恵をもって他者を助けることは、幸福と繁栄をもたらします。

修行した波羅蜜: 慈悲の完成、智慧の完成、布施の完成

— Ad Space (728x90) —

おすすめのジャータカ物語

悉地 vijaya 叙事詩 (しち vijaya じょじし)
224Dukanipāta

悉地 vijaya 叙事詩 (しち vijaya じょじし)

悉地 vijaya 叙事詩 (しち vijaya じょじし) 遥か昔、バラモン王国の首都であるポーラナガリの地に、偉大な王が治めていました。その名は、悉地 vijaya (しち vijaya) 王。...

💡 知恵と慈悲の心で他者を助けることは、調和、幸福、そして社会全体の平和をもたらします。

アヴィタパンドゥー・ジャータカ
345Catukkanipāta

アヴィタパンドゥー・ジャータカ

昔々、スダマラーチャという名の、陽気で賑やかな王国がありました。その国の王は、音楽と娯楽をこよなく愛し、とりわけ人々の笑い声を好んでいました。王はしばしば祝宴を催し、国中を賑やかにしていました。しかし...

💡 真の力とは、武力や財力だけではなく、知恵、勇気、そして慈悲深き心によって発揮される。

須多蘇摩 Jataka(すたそま ジャータカ)
23Ekanipāta

須多蘇摩 Jataka(すたそま ジャータカ)

遠い昔、バラナシ国に須多蘇摩(すたそま)という名の王がおりました。王は十の徳(十善戒)をもって民を慈しみ、国は平和で豊かでした。ある日、王は大きな功徳を積むことを願い、出家して山林で修行したいと深く思...

💡 他者への悪意は悲劇的な結果をもたらしますが、許しと慈悲は平和をもたらします。

スバフ物語
75Ekanipāta

スバフ物語

昔々、菩薩が狐として転生されていた頃、その狐は雪のように純白な毛並みを持つ、スバフ(Subāhu)と呼ばれる賢い生き物でした。スバフとは、「風のように速い足」と「琴のように美しい声」を意味します。彼は...

💡 この物語は、真の慈悲の心と利他の精神の重要性を示しています。自分の力や知識を、自己満足のためだけに使うのではなく、他者のために役立てることこそが、真の幸福と悟りへの道であることを教えてくれます。

賢い王(かしこいおう)
18Ekanipāta

賢い王(かしこいおう)

賢い王 あらすじ 昔々、バラモン教が栄えていた国に、賢王と呼ばれる王様がいました。王様は民を深く愛し、公正で知恵に満ちた裁きを下すことで知られていました。しかし、王様はまだ独身であり、将来の王位継承...

💡 賢明な判断は、表面的な言葉に惑わされず、人々の内面を見抜く力によってなされる。

雲童子(くもどうじ)の物語
93Ekanipāta

雲童子(くもどうじ)の物語

雲童子(くもどうじ)の物語 遙か昔、バラモン教が栄え、多くの聖者たちが修行に励んでいた時代のこと。マガダ国という豊かな国に、雲童子(くもどうじ)と呼ばれる賢くも美しい少年がおりました。彼は類まれな美...

💡 真の忠誠と勇気は常に称賛される

— Multiplex Ad —